完全分離か?一部共有か?迷えるあなたに伝えたい“家族の距離感”で決まる二世帯住宅のリアルな費用とは#column
– 間取りと土地の有無で1,000万円以上の差が出る、その理由を具体的に解説 –
この記事を読めば分かること
- 二世帯住宅にかかる費用の相場(タイプ別)
- 土地の有無によるコスト差
- 間取りで変わる建築費の仕組み
- 費用を抑えるための現実的な工夫
- 「後悔しない」二世帯住宅の考え方と設計のヒント
はじめに
「親と一緒に住もうか。でも、どんな家にしたらいい?費用は?間取りは?」
休日の午後。リビングのソファに腰かけたあなたが、スマホ片手に検索しながら、ふと天井を見上げる――。親の老後、子どもの未来、そしてあなた自身の暮らし。すべてが重なり合う「家づくり」の始まりです。
この記事では、土地の有無や間取りのタイプによって大きく変わる二世帯住宅の費用を、まるで人生の選択肢をめくるようにわかりやすく、物語のようにお届けします。

「土地があるかないか」で、スタート地点が変わる
【CASE 1】実家の土地がある場合:建築費だけでOK
たとえば、あなたが兄弟と相談して実家の土地に二世帯住宅を建てるとしましょう。
- 完全共有型:2,500万〜3,500万円
- 一部共有型:3,000万〜4,000万円
- 完全分離型:3,500万〜5,000万円
同じ「二世帯住宅」でも、共有部分が多ければ建物の大きさが抑えられ、費用も抑えられます。
【CASE 2】土地がない場合:購入+建築で一気に高額に
一方、新たに土地を購入する場合は、そこに+1,500万〜3,000万円が追加されます。
「駅徒歩10分以内の立地」「日当たりの良い南向き」…こだわるほど土地代はかさみ、家づくりの総額は一気に6,000万円超えになることも。
タイプ別の二世帯住宅、それぞれの「暮らし」と「費用」
【完全共有型】一緒に過ごす時間を大切にしたい人へ
キッチン・風呂・玄関すべて共有。費用は2,500万円台から。
あるご家族では、休日に孫とおじいちゃんが一緒に餃子を包むのが恒例行事。「家族の距離が近い分、喧嘩も笑顔も多くなった」と語ります。
ただし、お風呂の時間が重なるとちょっと不便なのも事実。
【一部共有型】プライバシーと絆のちょうどいい距離感
玄関や風呂だけ共有し、LDKや寝室はそれぞれ分ける設計。費用相場は3,000万〜4,000万円。
「親世代と毎日顔を合わせる安心感はある。でも、自分たちの時間もちゃんと確保できる」――。そんな声が多く聞かれます。
【完全分離型】独立型二世帯。将来の賃貸活用も視野に
上下階に分かれ、玄関からキッチン、風呂まで完全に分離。費用は3,500万〜5,000万円が目安。
息子夫婦の独立を機に、親世帯が1階に、子世帯が2階に暮らす設計を選んだご家庭。将来は片方を賃貸に、という選択肢もあり安心感があります。
費用を抑えるための工夫とは?
工夫①:水回りをまとめる
キッチンやお風呂の位置を上下階で重ねることで、配管工事費がぐっと下がります。
工夫②:建物の形をシンプルに
正方形や長方形のシンプルな形状にすることで、無駄な外壁や構造体を省き、数百万円の節約に。
工夫③:使わない部屋をつくらない
「念のため」の和室や「一応」の書斎。意外と使わず、建築費だけがかさむ元凶になることも。
住宅ローンも二世帯なら分担できる?
二世帯住宅では、住宅ローンを親子で分担する「親子リレーローン」も選べます。
「私が65歳で定年になる頃に、息子が引き継ぐ。老後も安心して住める家を持てたのは大きい」という声も。
まとめ:家族との「ちょうどいい距離感」が、最適な予算を導く
二世帯住宅は「いくらかかるか?」の前に、「どう暮らしたいか?」が先にあるもの。
一緒にご飯を食べたい?生活リズムは違う?介護が必要になったら?
あなたの家族らしい暮らしを思い浮かべるところから、家づくりは始まります。そしてそれが、最適な費用バランスにもつながるのです。