注文住宅の予算オーバーを防ぐ30の具体策#column
~総2階建てやシンプルな屋根形状など、具体的な工夫で最大172万円のコストダウンを実現~
この記事を読めば分かること
- 建物の形状や間取りの工夫によるコスト削減方法
- 設備や建材の選択で予算を抑えるポイント
- 実際のコストダウン事例から学ぶ具体的な手法
はじめに
注文住宅を計画する際、理想の住まいを追求するあまり、気づけば予算を大幅に超えてしまうことがあります。しかし、いくつかのポイントを押さえることで、住み心地を損なわずにコストを抑えることが可能です。
本記事では、建物の形状や間取り、設備の選択など、具体的なコストダウンの方法を30項目にわたりご紹介します。これらの方法を活用して、理想の住まいを手に入れましょう。

1. 建物の形状と規模の見直し
1. 総2階建てでコスト削減
1階と2階の面積を同じにする総2階建ては、基礎や柱、屋根材の使用量を最小限に抑えられます。例えば、延床面積120㎡の家で、1階部分に幅11.20m、奥行き2.60mの屋根を設けた場合と比較すると、約28万円のコストダウンが期待できます。さらに、シンプルな外観は周囲の景観にも馴染みやすくなります。
2. シンプルな屋根形状の採用
屋根の形状は、寄棟(よせむね)、切妻(きりづま)、片流れなどがあります。寄棟は部材や施工費が高くなる傾向がありますが、切妻や片流れはシンプルでコストを抑えられます。例えば、延床面積120㎡の総2階建てで、寄棟から切妻に変更することで、約11万円のコストダウンが可能です。
3. 外壁の凹凸を減らす
建物の外壁に凹凸が多いと、その分外壁材や補強が必要となり、コストが増加します。四角いシンプルな形状にすることで、延床面積120㎡の場合、約40万円のコスト削減が見込めます。
4. フェンスや門扉を設けない
外構工事では、フェンスや門扉の設置に費用がかかります。これらを省略し、オープンな外構にすることで、約95万円のコストダウンが可能です。植栽を活用して、自然な境界を作ることも検討してみてください。
5. 窓の数やサイズの見直し
窓は採光や通風に重要ですが、多すぎるとコストが増加します。必要な箇所に適切なサイズの窓を配置し、例えば40.5cm×183cmのフィックス窓を2カ所減らすことで、約14万円のコストダウンが期待できます。
6. 床面積の適正化
必要以上に広い床面積は、建築コストを押し上げます。家族構成やライフスタイルに合わせて適正な広さを確保し、延床面積を120㎡から110㎡に縮小することで、約172万円のコスト削減が可能です。
7. バルコニーのサイズ調整
大きなバルコニーは魅力的ですが、構造補強や防水工事などでコストが増加します。必要最低限のサイズに抑えることで、約25万円のコストダウンが見込めます。
2. 間取りと仕切りの工夫
1. オープンな階段の設置
リビング内にオープンな階段を設けることで、壁やドアの設置が不要となり、約10万円のコスト削減が可能です。また、家族間のコミュニケーションも取りやすくなります。
2. 子ども部屋の間仕切りを後回しに
子どもが小さいうちは、広い空間として活用し、成長に合わせて間仕切りを設置することで、初期費用を約14万円抑えることができます。
3. 玄関ホールの省略
玄関から直接リビングに入る間取りにすることで、玄関ホールの施工費用を約21万円削減できます。プライバシーを確保するための工夫も忘れずに。
4. 部屋数を減らし多目的スペースを活用
個室を減らし、リビングの一角に書斎や畳スペースを設けることで、約40万円のコストダウンが期待できます。家族の気配を感じられる空間づくりにもなります。
5. キッチンの吊り戸棚をオープン棚に
システムキッチンの吊り戸棚を省略し、代わりにオープンな棚を造作することで、約10万円のコスト削減が可能です。見せる収納としておしゃれな演出もできます。
3. 設備と素材の選択でコストを抑える
1. キッチンの仕様をシンプルに
システムキッチンのグレードを見直し、高級仕様から標準仕様に変更することで約30万円のコストダウンが可能です。
例えば、オールステンレスの高級モデルから、機能性の高いスタンダードなシステムキッチンに変更すると、見た目はほとんど変わらずに予算を抑えることができます。
2. ユニットバスのサイズ調整
浴室の広さは1.25坪(約2.5畳)から1坪(約2畳)に変更すると、施工費用と設備費を合わせて約15万円の削減が可能です。小さくしても機能性は十分で、掃除もしやすくなります。
3. 洗面台をシンプルなものに
造作洗面台ではなく、既製品の洗面化粧台を採用することで、約10万円のコスト削減ができます。デザイン性にこだわるなら、ミラーや収納を工夫して個性的な空間に演出することも可能です。
4. 床材をフローリングからクッションフロアに
フローリングの床材はおしゃれですが、コストも高めです。リビング以外の部屋をクッションフロアにすることで、約20万円のコストダウンが期待できます。最近のクッションフロアはデザイン性も高く、メンテナンスしやすいのが魅力です。
5. 壁紙をシンプルなクロスに
壁紙にこだわりすぎると費用が膨らみます。アクセントクロスを最小限にし、基本は白系のシンプルなクロスにすることで約10万円の節約が可能です。
6. 照明をダウンライトではなくシーリングライトに
ダウンライトはスッキリしておしゃれですが、設置コストが高くなります。シーリングライトに変更することで、約8万円のコスト削減が可能です。最近はデザイン性の高いシーリングライトも増えており、部屋の雰囲気に合うものを選ぶことができます。
7. 玄関ドアをシンプルなものに
玄関ドアのグレードを見直し、デザイン性よりも機能性重視のシンプルなものにすることで、約15万円のコストダウンが可能です。デザインはシンプルでも、断熱性能の高いモデルを選ぶことで快適な住環境を保つことができます。
4. 外構工事の工夫で予算を抑える
1. 駐車スペースをコンクリートではなく砂利に
駐車場を全面コンクリートにすると、施工費が高くなります。部分的に砂利敷きにすることで、約25万円のコストダウンが期待できます。見た目のデザインを工夫すれば、おしゃれな仕上がりになります。
2. 庭の芝生をDIYに
庭の芝生を施工業者に依頼すると、施工費がかかります。自分でDIYすれば、約10万円の節約が可能です。初心者でも簡単に敷ける人工芝もあるので、手軽に取り入れられます。
3. フェンスの素材を工夫する
外構フェンスを高級な木製やアルミ製にするとコストがかさみます。シンプルなメッシュフェンスや低めのブロック塀にすることで、約15万円のコスト削減が可能です。
4. ウッドデッキを後回しに
ウッドデッキはおしゃれで人気ですが、初期費用がかかります。後からDIYで設置することで、約30万円の節約が可能です。最近は組み立て式のウッドデッキもあり、簡単に設置できます。
5. その他のコスト削減ポイント
1. 太陽光発電や蓄電池を後付けに
初期の設備投資として太陽光発電や蓄電池を導入すると、大きなコストがかかります。後から設置することで、最初の予算を大幅に抑えることができます。
2. ローンの組み方を見直す
住宅ローンは金利が大きく影響するため、低金利の銀行を選ぶことで、長期的に数百万円単位のコスト削減につながります。
3. 住宅メーカーの標準仕様を活用
住宅メーカーの標準仕様をうまく活用することで、オプション費用を抑えられます。例えば、標準キッチンを活用し、収納部分をDIYすることで、約20万円のコストダウンが可能です。
まとめ
注文住宅のコストを抑えるためには、建物の形状や間取りをシンプルにすること、設備や素材の選び方を工夫すること、外構工事を最小限にすることがポイントです。すべてを妥協するのではなく、「どこにお金をかけて、どこを削るのか」を明確にすることで、予算内で理想の住まいを実現できます。
ぜひ、今回ご紹介したコスト削減方法を参考に、あなたの家づくりに活かしてください。