傘だけじゃない。大切なのは“家族の安心”──台風から外構を守るための点検と備え #column

夏から秋にかけて訪れる台風シーズン。天気予報を見ながら「今年は被害が少ないといいな」と願う夜は、誰にでもあるはずです。
けれど、実際の台風はその祈りをあっさり裏切ることがあります。強風で舞い上がったカーポートの屋根、倒れた庭木、飛んでいった鉢植え。ニュースに映る光景は決して遠い世界の出来事ではなく、私たちのすぐそばでも起こり得る現実です。

家は大切な家族を守る場所。でもその周りにある外構やエクステリアが台風の力に負けてしまえば、安心のはずの暮らしに思わぬリスクを抱えることになります。

この記事では、台風が来る前に確認しておきたい外構・エクステリアの点検ポイントと、被害を防ぐための備えをお伝えします。ほんの少しの行動が、嵐の夜を不安から守ってくれる。そう信じて、一緒に見直していきましょう。

この記事を読めばわかること

  • 台風で外構・エクステリアが受けやすいダメージの種類
  • 台風前に必ずチェックしておきたいポイント
  • 補強や応急処置の方法
  • 普段からできるメンテナンスの習慣

1. 台風が直撃したときに狙われやすい場所

台風の暴風雨は、普段は気にも留めない部分に牙をむきます。被害を受けやすいのは次のような場所です。

  • カーポートやテラス屋根
     透明なポリカーボネート板。普段は陽をやさしく遮ってくれる存在ですが、台風の風に煽られると、一瞬で空へ舞い上がるリスクがあります。
  • フェンスや門扉
     劣化や緩みがあれば、風を受けた瞬間に倒れる危険性が。もし隣家や道路側に倒れたら、被害は自分の家だけでは済みません。
  • 物置や小さな倉庫
     固定が甘いと、強風に押されて横転。大切にしまっていた荷物が散乱するのはもちろん、近隣への二次被害にもつながります。
  • 庭木や植栽
     青々とした木々も、嵐の前では脆い存在。枝折れや倒木は建物を傷つけ、電線にかかれば停電の原因になることもあります。
  • 飛散しやすい小物
     鉢植え、自転車、ガーデンチェア…。普段の暮らしを彩るアイテムも、風に乗れば凶器へと姿を変えてしまうのです。

「固定されていないもの」「古くなったもの」こそ危険だと覚えておきましょう。

typhoon

2. 台風前に必ず確認したい点検リスト

台風が来る前に見直しておきたい箇所を具体的に整理しました。

カーポート・テラス屋根

  • ボルトやネジの緩みはないか
  • 屋根材に割れや欠けはないか
  • 支柱の根元がしっかり固定されているか

フェンス・門扉

  • フェンスのパネルが外れかけていないか
  • 蝶番やヒンジがしっかり動くか
  • 支柱の基礎にサビやひび割れはないか

物置・倉庫

  • アンカーボルトでしっかり地面に固定されているか
  • 扉がスムーズに開閉できるか
  • 屋根部分にサビや浮きがないか

庭木・植栽

  • 枝が電線や隣地にかかっていないか
  • 幹に腐食や亀裂はないか
  • 細い木には支柱を添えているか

飛散物(鉢植え・自転車・家具など)

  • 屋内へ避難できるものは早めに移動
  • 移動できないものはカバーやロープで固定
  • 自転車はスタンド任せにせず、しっかり結束

これらは「直前に慌ててやる」のではなく、予報が出た段階で余裕を持って済ませるのが理想です。

3. 点検後にできる補強と応急対応

「少し心配だな」と思ったら、そのままにせず手を打ちましょう。

  • ボルトやネジの締め直し
     わずかな緩みでも被害を大きくする要因に。工具ひとつでできる簡単な行動が、大きな安心につながります。
  • 支柱まわりの補強
     モルタルで根元を固めたり、補強金具を取り付けると強度が増します。
  • 屋根材の交換や補修
     劣化しているものは交換が理想。応急的には補修テープで補強する方法も。
  • 植栽の剪定
     枝を軽く落とすだけで風の抵抗を減らせます。切った枝は必ず処分を。
  • 飛散物の対策
     ブルーシートで覆う、室内へ避難させるなど、とにかく「風に乗せない工夫」をしましょう。

4. 普段から意識したいメンテナンス習慣

台風直前に慌てないためには、日常の習慣が大切です。

  • 半年に一度の外構点検
     春と秋に見直すだけで、台風シーズンへの備えがスムーズに。
  • 小さな劣化を放置しない
     「少しサビてる」「ちょっと傾いてる」。その小さな違和感が、大きな被害を防ぐヒントです。
  • 専門家の点検を利用する
     施工業者や工務店のアフターサービスを活用し、プロの目で見てもらうことも安心につながります。

まとめ

台風は、私たちの暮らしを容赦なく揺さぶる自然の力です。でも、備え次第でその影響を最小限にすることはできます。

外構やエクステリアは、家族が安全に暮らすための大切な空間。その部分を守ることは、ただの防災対策ではなく「家族の安心を守る行為」でもあります。次の台風シーズンが来る前に、どうか一度立ち止まって、家まわりを見直してみてください。
あなたの小さな行動が、大切な人を守る大きな力になります。