ただいま、と言いたくなる場所。心をほどく“カフェのような家”のつくり方 #column
ふと立ち寄ったカフェで感じる、あの安心感と居心地のよさ。日差しの入り方、木の香り、さりげない照明のぬくもり。もし、そんな空間が自宅にあったなら——毎日が少しだけ優しくなるかもしれません。
この記事では、心をほどくような“カフェのような住まい”を叶えるヒントをお届けします。どこか懐かしくて、温かい。そんな空間が、あなたの家にもきっとつくれます。
【この記事を読めばわかること】
- カフェのようなやすらぎを住まいに取り入れる考え方
- 実例で見る、心地よさを生む空間デザイン
- 素材・色・照明で「ぬくもり」を演出する工夫
- 設計や動線の小さなこだわりがもたらす効果
そこに“気持ちの居場所”をつくる。カフェ風インテリアの魅力
ただおしゃれなだけじゃない。 カフェ風インテリアが人を惹きつける理由は、そこに“気持ちの居場所”があるからです。
無垢材の手ざわり、間接照明のやさしい陰影、飾りすぎない余白。 それはまるで、「大丈夫だよ」と静かに寄り添ってくれる空間のようです。
カフェ風のスタイルには、型にはまった正解はありません。
- 木と鉄が調和するナチュラルヴィンテージ
- 白とグレーが奏でる静謐な北欧風
- レンガやタイルの凹凸が記憶を刺激するブルックリンテイスト
- 緑と陽だまりに包まれるボタニカルカフェ
どれも、“私らしい”を大切にした空間。 あなたの心がほっとする、そんなスタイルを選んでいいのです。

ぬくもりに満ちた実例に学ぶ、“心地いい家”のヒント
■ 木の香りと黒のラインが生きる「ナチュラル×アイアン」
天井の梁が見えるラフな天井。 足元に広がるのは、あたたかみのある無垢フローリング。 そして、その空間を引き締めるブラックのスチール棚。
キッチンのカウンター越しに、「おかえり」の声が響く。 そんな毎日が浮かびます。
設計のポイント:
- オープン棚でお気に入りの器を“飾るように使う”
- ペンダントライトは低めに。明かりが手元に宿るような優しさを演出
■ 白とグレーで整える、静けさのある北欧カフェ
明るい木目の家具に包まれて、自然と呼吸が深くなるような空間。 グレーのソファに身を預けると、時の流れまでゆるやかに感じられます。
夜は照明を落として、静かなカフェバーのような時間を。 ひとりの時間も、ふたりの時間も、どちらも絵になる家。
設計のポイント:
- 間接照明を壁際に設置。やさしい影が落ちることで空間に奥行きが生まれる
- クッションやファブリックは同系色で揃えて統一感を
■ 少しのレトロと、たっぷりの記憶。「ブルックリン風」空間
赤茶のレンガ風クロス、深みのある床材、タイル張りのキッチン。 まるで異国の路地に佇むカフェに迷い込んだような錯覚。
壁には黒板塗装。今日の献立や、子どもの落書きがそのままインテリアになる場所。
設計のポイント:
- スチールや真鍮の照明をセレクトし、素材の重なりで空間を引き締める
- 黒板塗装は壁の一部に取り入れて“遊び心”をプラス
■ 緑と暮らす「ボタニカルカフェ」
陽が差し込む窓辺に、そっと置かれた観葉植物。 吊るされたドライフラワーが、木の棚に影を落とす。
カップに注いだコーヒーの湯気とともに、一日が始まる。 そんなやさしい時間が、暮らしのリズムを整えてくれます。
設計のポイント:
- グリーンは置くだけでなく“吊るす・飾る・掛ける”など立体的に配置
- コーヒーコーナーをつくることで「自分の時間」が自然と生まれる
心地よさは、光・素材・余白でつくられる
● 照明が“空気”を変える
空間の印象を左右するのは、光の質。 温かな電球色は、心拍数をゆるやかにし、落ち着きを与えてくれます。
- ダウンライトや間接照明を組み合わせて、光の濃淡を楽しむ
- 調光機能付きの照明を選べば、時間帯によって表情を変えられる
● 手ざわりと質感が記憶に残る素材選び
人の記憶には、“手ざわり”が深く残るといいます。 だからこそ、素材には少しだけこだわって。
- 木目のある家具やラタンのかごなど、触れて心地いい素材を選ぶ
- つや消しやマットな質感が、空間に静けさを与える
● 詰め込みすぎない空間が、心に余白を生む
おしゃれにしようと思うと、つい飾りたくなってしまうもの。 でも、実は“何も置かない”ことこそが、洗練の鍵。
- 空いた場所にはグリーンや灯りを添えて、呼吸するような空間に
- 「飾らない美しさ」を意識することが、結果として美しい
設計が支える、暮らしのストーリー
● オープンキッチンでつながる時間
家族の会話が自然と生まれるのは、キッチンとリビングがゆるやかにつながっているから。 カウンターにマグカップを並べて、夜のコーヒータイムを楽しむのも素敵です。
● 回遊動線で、暮らしのリズムが整う
リビング、ダイニング、キッチン。 それぞれをスムーズにつなぐ回遊動線は、日々の“動き”を支えます。 朝の支度、夕食の支度、ふとした瞬間の移動も、自然な流れに。
● 「隠す」と「見せる」のバランスが整った収納
見せたいものは見せて、隠したいものは隠す。 生活感をコントロールするだけで、空間が呼吸を始めます。
- オープン棚は魅せる道具を選んで配置
- パントリーやカウンター下は“生活の舞台裏”として活用
【まとめ】
カフェ風インテリアは、単なるデザインではありません。
それは、暮らす人の心に寄り添う「空間の在り方」そのもの。
音楽を流しながら過ごす朝。 お気に入りのカップで淹れるコーヒー。 夕暮れ時の静かな灯り——
その一つひとつが、心を整えてくれます。
あなたにとって“居心地のいい場所”とはどんな空間ですか? もしまだ見つかっていないなら、一度、住宅展示場を訪れてみてください。 きっと、あなたの暮らしにぴったりの風景が見つかるはずです。